生きていく。ただ、それだけのこと。

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サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路を歩く ~歩く、食べる、寝る~

サンティアゴ巡礼路には様々なルートがある。その中でぼくは

フランス人の道(Camino Francés)

 を歩くことにした。

この道にした理由としては、

・最もポピュラー

・見所も多い

からだ。

最もポピュラーだから、というのは横並び的な感じがして嫌だが、それだけ人気があるからだろう。その人気の理由としても、歴史的な見どころがたくさんあるため。また宿泊所や道路等もしっかり整備されているとのこと。

中世の巡礼者よろしく苦行のように歩くのもありだが、まだそこまではベテランではない。せっかく行くのだから道中を楽しみたい。

 

フランス人の道を歩くぜ!

と、決めたが、『歩く』ってなに?どうやって?ポン、っていって急に歩けるもの?

 

サンティアゴ巡礼路の歩き方 フランス人の道 

 僕が実際に歩いたのは「フランス人の道」についての説明になります。他の道についてはわかりませんが、基本的にはほぼ同じだと思います。

 

 1.どれくらいかかるの?

フランス人の道のスペインとの国境近くのフランスの街サン・ジャン・ピエ・ド・ポーからサンティアゴまでおよそ800Km。

 

サンティアゴ巡礼 カミーノ フランス人の道 ルート

出典:https://www.pilgrim.es/ja/フランス人の道/

30~40日といったところでしょう。

少なくとも1か月は必要。

ぼくは28日で歩きましたが、これは比較的早いペースだと思う。

日本カミーノ・デ・サンティアゴ友の会での推奨は41日。

海外のガイドブックだと34~36日。

ガイドアプリだと32日。

といろいろ差がある。

これは、歩くペースももちろんあるし、途中で休憩日をとったり、観光日を設定したりで変わってくる。せっかくスペインにいくのだから、道沿いの近くの街やバルセロナマドリードポルトなども一緒に観光したい。

僕として、カミーノ+αで2か月弱の時間をとることをお勧めする。

 

 2.1日にどれくらい歩くの?

 1日平均で25~30km

40kmぐらい歩くものもいたがかなりの強者。

また、歩き慣れていない最初の頃は1日20Kmぐらいで、

後半になって慣れてくると30~35Kmぐらい。

歩く時間は大体7~9時間くらい。

朝から歩いて、14,15時に到着するくらい。

 

サンティアゴ巡礼

 

もっと、あるけないこともないが疲れが残らない程度と、着いた街を散策したいし、洗濯もする必要があるので、これぐらいかこれ以下がちょうどいい。

他にも山登りがある日や、雨の日、歩きたい日、歩きたくない日、などなどでだいぶ変わってくる。

朝一から雨の日は、はじめのころはメンタル的にきつい。

土砂降りのなか、今日はこのまま30Km歩くのかって。

サンティアゴ巡礼 カミーノ フランス人の道 雨

 

サン・ジャン・ピエ・ド・ポーから始めるとそもそも初日が一番きつい!

歩きなれてないうえに、ピレネー越えの山登り。

まじで、毎日これが続くのかよ、、と思うほど。

が、2日目は下り道だったのでそんなこともなく、ジョジョになれていった。

 

 3.どこで寝るの?

主にアルベルゲ(Albergue)という巡礼者用の宿。自治体や教会が運営している公共(Pubrico、Municipal)と個人が運営する民営(Privado)がある。巡礼者用の宿であるため、原則1泊しかできない(体調不良、ケガ等による理由があれば連泊は可能)。

料金は公共のほうが安く、5~10ユーロ。

民営は10~20ユーロ。

他にも寄付制(ドナティーボ)のところもある。自分が払いたし分だけ払えばいい。

全く払わない輩もいるが10ユーロが妥当だろう。

設備はシャワー、共同部屋、キッチン、テラス、洗濯場(重要!)があり、大体事足りる。Wifiも最近は大体ついている。

2段ベッドのところが多く、基本は相部屋。一部屋数人のところもあれば何十人もはいるような大部屋もある。中には同じベッドでただしきりがあるだけじゃねえか!と思うほどとなりのベッドが近いところもあった。

サンティアゴ巡礼路 アルベルゲ

一般的なアルベルゲ。荷物でか。

 

サンティアゴ巡礼路 アルベルゲ

教会に泊まった時。マットとシーツだけ。雑魚寝。

知らない人と同じ部屋寝ることに慣れてない人はストレスかもしれない。

「いびきもうるせいし、寝れねえよ。。」

と思うかもしれないが、大丈夫。

歩き疲れているので、目をつぶって文句を1分くらい言ったら、気が付いたら寝てる

 

通常のホテルもある。料金が高いが、やはり知らない人と相部屋が慣れない人や疲れがたまってしまった日にはうまくホテルを活用するのもいいだろう。大事なのは毎日楽しく歩くことだから。

他にもテント持参の強者もいる。まさにガチの巡礼スタイル。

巡礼者が多い夏季でなければ特に宿にこまることはないが、近年では予約も可能だ。泊まった宿の人に頼んで予約してもらってもいいし、自分で予約サイトを使って予約もできる。booking.comとかでもできる。どうしても泊まりたいアルベルゲがある!というのでなければ、飛び込みで大丈夫だろう。ぼくは一回も予約はしなかった。まあ、その日の気分でどこまでいくかわかんないしね。

 

 4.ご飯は?

レストラン、自炊、シェア名。なんでもあるし、なんでもできる。

・朝ごはん

アルベルゲで提供されることもあるが、無料ではない。

2~5ユーロ。

バル(bar)と呼ばれるカフェ兼バーが朝早くからやっているので、そこで食べたりもできる。

僕は前日のパンや果物を買っておいて、それを軽く食べてから歩きはじめ、バルでまた朝飯をとる。定番のカプチーノとクロワッサンorスペイン風オムレツ。

ちなみに最初に覚えたスペイン語

「ウノ、カフェ・コン・レチェ、ポル・ファボール!(カプチームを一つください!)」

だ。これさえできればなんとかなる!

 

・昼ごはん

歩いている途中なので、レストランやサンドイッチになることが多い。

ここで多く食べられているのが、ボガディージョと呼ばれる、サンドイッチ。

これはバゲットにチーズ、トマトをはさんだだけの簡単なもの。何よりもコスパがいい!ハムの種類も多い!

道にはピクニックをするには最適なところばかり。

気持ちのいい場所でとるランチは、いつも同じサンドイッチとはいえおいしい。

・・・。さすがに飽きるけど。

 

・夜ご飯

これはほんとに多種多様だ。アルベルゲでお金払って提供するところもあるし、近くのレストラン、バルにいったり。

やはり長旅なので、節約もこみで自炊がおおい。一人だけだと、何かをつくるのが億劫だが、巡礼者同士数人で集まって一緒に作ることも多かった。僕は韓国人の子たちと仲良くなったので、よく一緒に食べていた。食習慣が似てることもあり、よく白ごはんをたべました。あとは、韓国人の大好きなインスタントラーメン。なぜだろう、辛ラーメンをよくみかけた。あれ、うまい。最高。

しかし、せっかくスペインにきてるのだから現地も料理もたべたい。

アルベルゲやレストラン、バルでは「ピルグリム・メニュー」といって巡礼者用にお手頃価格(10ユーロ前後)でコース料理が食べれる。サラダ、メイン、デザート、ワイン、コーヒー。ワインはアホみたいにでてくる。大体のみきれない。

知らない巡礼者同士でテーブルを囲むことにはなり、親睦を深めるいい機会にもなるだろう。

 

サンティアゴ巡礼路 ロンセスバリェス

 

食べ物は大事だが、水分をとることも大事な要素だ。フランス人の道はお店は多いと思うが、それでも何キロも何もないようなところもある。水はきらさないようにしたい。

ぼくはおそらくお腹は強いほうなので(アジアでも一度も壊したことがない)、ずっと水道水だった。スペインの街は大体街中にパブリック・ウォーターといって、飲料水の蛇口がある(日本だと公園にある、あれだ。)。これにもよくお世話になった。なんら問題ない。

もちろん心配ならスーパーでミネラルウォーターを買っとくのがいい。

持ちすぎも重くなるので、難しいところだが1.0Lぐらいはもって歩きはじめたい。少なくなったら途中で補充する。

水がなくなるかも!というストレスももちたくなかったので、僕は常に多めに持ち歩いた。

 5.1日のスケジュール

サンティアゴ巡礼路 1日 スケジュール

平均的な1日のスケジュールはこんな感じ。

朝5時に起床。大体みんなこの時間ぐらいでごそごそしだす。

まだ寝てる人もいて電気をつけられないので、荷物だけを雑に部屋の外に持ち出し、パッキングしたり、準備体操したり。軽く朝食をとって6時頃から歩き始める。朝日が出始めで非常に気持ちいい。

サンティアゴ巡礼路 朝日

軽くしか食べていないので、1,2時間歩いていい感じのカフェ、バルでまた朝食。

途中でランチをとって、15時前後に宿着。ゆっくりする前にシャワーをあび、洗濯をする。これでやっと気持ちを落ち着ける。あとは夕飯まで自由。昼寝したり、体休めたり。ぼくは写真撮るのが好きなので、街を散策したり、他の巡礼者を撮ったり。

夕食は誰かに誘われれば一緒に作るし、誰もいなかったら外に食べにいく。

ごはんのあとは、だらだら。巡礼者との交流、日記書く、写真整理、明日の作戦をたてる、が基本かな。

どこの宿の22時に消灯が多いのでそれと同時に寝始める。びっくりするぐらいすぐ寝れる。

はじめのころは昼前に着いちゃうとかもあったので距離を伸ばした。

長い距離を歩くと洗濯物が乾かなかったり、夕食がめんどうになるので、疲れすぎない距離でおわる。長い距離を歩くと達成感はあるが、長い期間戦えない。

あくまで平均なので、自分に合うペースを見つけていくのも大事だし、楽しい作業でもある。

 

 

準備編、続く。

 

 

 

 

写真素材のピクスタ