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世界遺産マイスターへの道のり⑤ ~ 問3.解答例 ~

世界遺産検定マイスター試験の問3だが、ググってもほとんど解答例をみつけることができなかった。解答が小論文なので、書くのも大変だし、覚えていないのもある。

私もせっかくだから、合格時に書いたものを乗せようと思ったが、、、確かに覚えてない!!少し時間たったのもあるが、試験に集中していた、集中しすぎていたので試験が終わったと同時に燃え尽きていた。詳細まで覚えていない。

試験時に書き始める前に小論文のプロット、構成的なものがあるので、それを乗せつつ、できる限り書いていこうと思う。1200字には届かないが、多少参考になってくれることを願い、回答例(模範解答)を記載していく。

 

 

0.問題(第46回:2021年12月)

問3
2021 年の世界遺産委員会において、英国の「海商都リヴァプール」が世界遺産リスト
から削除された。危機遺産リストに記載されている遺産を、世界遺産リストから削除す
るという世界遺産委員会の対応の是非について、世界遺産の保護の観点から具体的な事
例などを用いつつ、1,200 字以内で論じなさい。

1.プロット

第一段落(結論)

世界遺産条約世界遺産の顕著な普遍的価値を保護するための国際的な協力体制の確立を目的とする。

・「海商都リヴァプール」の削除は時期尚早だと考える。危機遺産のままにしておくべきだった。

 

第二段落

・「海商都リヴァプール」が削除された経緯。遺産保有国の英国は、世界遺産であり続けたい意思はあった。

・過去に削除された2件の事例を記載。両方とも遺産保有国は経済的利益、生活の利便性を優先した。

・「海商都リヴァプール」は世界遺産であり続けたい意思があったのでだから、削除せず危機遺産のままとし、世界遺産委員会及び世界遺産条約締約国で協力し、危機遺産から脱出するための道を探すべき。

 

第三段落(解決案提案とまとめ)

・これからは遺産を増やしていくよりも、登録された遺産の保護・保全に重点を傾けるべき。世界遺産遺産委員会も2年に一度とし、危機遺産の保護に力をいれる。世界遺産条約締約国で危機遺産脱出のためのプロジェクトチームを組んで問題改善に本気で取り組む。それが世界遺産委員会のありかたであると考える。

 

2.解答例

※頑張って思い出したみて記載してみた。正直、第2段落の最後の部分がうる覚えで、、、。少し、自分の意見が少ないようにみえるが、そこまで論理は破綻してないはず。ここで晒すのは怖い。けど、いくらかは参考になるかと思います。

意見・ご指摘当ございましたらむしろお願いします。

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 世界遺産条約は顕著な普遍的な価値を保護するための国際的な協力体制の確立を目的とし、遺産の保護・保全世界遺産条約の締約国の義務ともされている。この条約の理念を踏まえても、本年度の世界遺産委員会において「海商都リヴァプール」が世界遺産リストから削除されたことは時期尚早だったし、危機遺産リストに登録しておくべきだったと考える。
 「海商都リヴァプール」は大英帝国の最盛期に国際貿易の中心地として栄え、近代で最も重要な港湾都市とされ世界遺産に登録された。2012年に経済復興のための再開発計画が決まり、開発地区が資産や登録範囲に跨っており、歴史的都市景観が断絶・断片化することが予想されるため危機遺産リストに登録された。その後も、世界遺産遺産委員会の繰り返しアドバイスや要請を受けたが、改善がみれないとして2021年に抹消された。その際に英国は「非常に遺憾」であるという声明をだした。この声明により遺産保有国の英国は世界遺産であり続けたいという意思をみることができる。ここが過去に削除された遺産と異なる点である。
過去に削除された遺産の「アラビア・オリックス保護区」ではオマーンが資源開発・経済優先を優先するため自ら削除を申し入れた。また「ドレスデンエルベ渓谷」は旧市街の交通緩和を目的にエルベ渓谷に橋をかけることを住民投票により決めた。橋をかけることで世界遺産から削除されると勧告を受けていたのに関わらずこのような結果となったのは、遺産を保護していく地域社会で世界遺産であり続けることを望んではいなかったことになる。過去に削除された2件は世界遺産であり続けたいという意思がなく、「海商都リヴァプール」にはあった。世界遺産であり続けたいという意思があったならば削除せずに危機遺産リストに登録したままでよかったのではないか。危機遺産リストに登録し、危機を回避するために世界遺産委員会や世界遺産条約締約国が協力してもっとできることがあったはずである。資金的な援助をするなり、危機遺産からぬけるためのプロジェクトチームを組むなど、世界遺産をあり続けたいという意思を尊重し、もっと話し合うべきだった。アドバイスで改善がみれないからといって、切り捨てるのはとても国際的な協力地体制が築かれたとは思えない。
 昨今、世界遺産の数が非常に多くなっている。いまは、世界遺産の数を増やすよりも登録された世界遺産を保護・改善・モニタリングをしていく段階にはいっている。これからは世界遺産委員会を2年に1度にし、危機遺産の遺産保護を重点的に行っていくべきだ。今までよりも長期スパンを遺産保護支援のための国際的な協力体制をくむことができるし、危機遺産を救えるのではないか。それが世界遺産委員会のあり方だと考える。

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